医療保険(3)~保険料はいくらになるのか?~


本記事では、医療保険の保険料がどのように決まるのかを紹介します。

会社員の保険料はどのように決まるか

最初に、医療保険のうち、会社員が入っている健康保険(健康保険組合または協会けんぽが運営)の場合の保険料について紹介します。

健康保険の保険料は所得に応じて変わります。つまり、給料が高い人ほど保険料が高く、低い人ほどを保険料は安くなります。その基準となる給料が標準報酬月額と標準賞与月額です。

  • 標準報酬月額
    • 毎月の給料にかかる保険料を計算するための基準です。
    • 一部例外はありますが、基本的には4~6月にもらった給料の合計から月数(3)を割った報酬月額を50の等級に分かれた標準報酬月額等級表に当てはめて求めます。
      • 標準報酬月額等級表では、報酬月額が6万3千円未満の場合は第1級、133万5千円以上の場合が第50級となります。
      • 例えば、4~6月にそれぞれ29万円の給料だった場合は、報酬月額は29万円となります。標準報酬月額等級表では、報酬月額が29万円以上31万円未満の場合は第22級で標準報酬月額が30万円となるので、この場合の標準報酬月額は30万円となります。
      • 標準報酬月額等級表については、協会けんぽのホームページから見ることができます(どの都道府県のデータでもOKです)。
  • 標準賞与額
    • ボーナスにかかる保険料を計算するための基準です。
    • ボーナスの額面金額の1000円未満を切り捨てることによって求められます。

このように求めた標準報酬月額や標準賞与額に保険料率をかけることで、保険料が求められます。この保険料率は健康保険組合ごと、また協会けんぽの都道府県ごとに異なるので、興味のある方はご自分の所属する健康保険の運営元のホームページで見てみてください。なお、協会けんぽの場合は、9%台~10%台の保険料率となっています。健康保険の場合は、半分が会社負担になっているので、自己負担は保険料の半分となります。

例えば、標準報酬月額が30万円で、保険料率が10%の場合、保険料は3万円、自己負担分はその半額で1万5千円となります。健康保険組合によっては、半分以上を会社側で負担してくれるところもあるので、その場合は自己負担はもっと少なくなります。

また、40歳以上になると介護保険の保険料も追加でかかるようになるので、保険料が高くなります。介護保険については別途紹介するので、本記事では割愛します。

公務員の保険料はどのように決まるか

次に公務員の場合(共済組合に加入している場合)の保険料について紹介します。といっても、計算方法は会社員の場合と同じです。つまり、以下の通りです。
  • 毎月の給料には標準報酬月額に保険料率をかけて求められる保険料がかかる
  • ボーナス(期末手当)には標準期末手当等に保険料率をかけて求められる保険料がかかる
  • 保険料の自己負担分は半額(折半負担)

自営業などの保険料はどのように決まるか

3つ目のケースとして、自営業や個人事業主のような国民健康保険に加入している人の保険料について紹介します。

国民健康保険の場合、健康保険や共済の場合とは異なります。国民健康保険の保険料は所得に応じた部分(所得割額)と加入者が均一に負担する部分(均等割額)の合計で求められます。また、保険料の内訳としては医療にかかる部分、後期高齢者の医療保険を支援する部分、介護にかかる部分(40歳から64歳の場合)で成り立っています。なお、本記事では触れませんでしたが、健康保険や共済の場合にも保険料の中に後期高齢者等を支援するための部分が含まれています。

保険料は加入している国民健康保険によって異なるので、興味のある方は自分の所属している国民健康保険のホームページを確認してみてください。

例えば、千代田区の場合は以下のようになっています(※)。
  • 医療分
    • 所得割額=基準総所得金額×5.93%
    • 均等割額=被保険者数×34400円
  • 支援分(後期高齢者支援)
    • 所得割額=基準総所得金額×2.00%
    • 均等割額=被保険者数×14100円
(※)介護分は割愛します。

次回は医療保険でもらえる給付について紹介します。

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