医療保険(4)~どのような給付があるのか パート1~


本記事では、けがや病気の時に医療保険から支給される様々な給付について紹介します。

療養の給付

最も代表的で多くの方が恩恵を受けているのが療養の給付です。病院や薬局で保険証を出すと、3割負担で済むのは、残りの7割が医療保険から支払われているからです。なお、現在ではマイナンバーカードの読み取り機がある病院や薬局では保険証の代わりにマイナンバーカードを使うこともできるようになってきています。

また、医療費の支払いは3割負担の人がほとんどですが、以下のようなケースで、より少ない負担になります。
  • 70歳以上75歳未満の方(所得が高い方を除く):2割負担
  • 小学校入学前の未就学児(国民健康保険の被保険者):2割負担
  • 後期高齢者医療制度に加入している場合(75歳以上など):1割負担 (※)
(※)所得によっては、2割負担、3割負担の場合もあります。

他にも、所得が著しく低い方や、災害に合われた方は病院・薬局窓口での負担が免除されることもあります。

療養費

療養費とは、特別な事情があって上で紹介した療養の給付が受けられなかった場合に、支給される給付です。例えば、海外旅行中にけがをして現地の病院を受診した場合、日本の法律は適用されないので、受診したときには医療費を全額負担しなければなりません。後日、加入している医療保険に対して請求することで、7割相当の金額が支給されます。これが療養費となります。

入院時食事療養費

入院時食事療養費とは、入院したときの食費に対して支給される給付です。一般の人の場合、1食あたり460円を自己負担額として、それを超える部分が入院時食事療養費として支給されます。なお、所得などの条件によっては460円の自己負担が安くなる場合があります。

入院時生活療養費

入院時生活療養費とは、医療療養病床(長期間の療養をするところ)に入院している65歳以上の方に対して支給される給付です。入院時の食費に加えて、居住費(光熱水費)も支給されます。

自己負担額は病状などによって変わってきますが、食費の自己負担は1食あたり460円以下、居住費の自己負担は1日当たり370円となります。

保険外併用療養費

医療保険の仕組みとして、先進医療などの治療を受けた場合や、入院時に差額ベッド代を支払う場合など、保険の効かない診療があると、本来なら保険の効く部分まで含めて全額が自己負担になるという原則があります。これだと、被保険者の負担が大きくなってしまうので導入されているのが保険外併用療養費です。これは、保険の効かない治療を受けた場合でも、保険の効く部分は3割負担(残り7割は保険外併用療養費で支給)で治療を受けられるというものです。

訪問看護療養費

訪問看護療養費とは訪問看護ステーションから看護師を派遣してもらって看護してもらった場合に支給される給付です。一部負担額は3割で残り7割が訪問看護療養費として支給されます。

移送費

移送費とは、治療を受けるために病院に移送が必要となる場合に、その移送するための費用に対して支給される給付です。例えば、病院が近くにないところでけがをして動けなくなった場合、自分で病院に行けないので病院まで移送してもらったときに給付の対象となります。給付金額は最も経済的な経路・方法で移送された場合の費用となります。

この他にも出産時にもらえる給付や医療費の自己負担が高額になってしまった場合の給付などがありますが、別の記事で紹介します。

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